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福井商の北野尚文監督がモットーとするのは、選手の長所を伸ばす指導。その先にあるのが「成功体験」だ。この二つがうまくかみ合ったとき、チームは大きく飛躍する。北野監督が成功体験の典型として挙げるのが、昨年夏の福井大会決勝だ。 |
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「あの試合で得た自信が、今回のセンバツの大きな原動力になった」と分析する北野監督は、「成功体験が、練習の正しさを自ら証明することになり、さらにやる気が出て練習にも一層身が入る」と話す。 |
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決勝は、北野監督自身が「個々人の能力の単純な総和では、相手の方が上だった」と認める敦賀気比との戦い。これに勝利して甲子園切符を手にした試合だった。 |
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この試合について、渡辺利克選手(2年)は「今までで一番感動した試合」と言い、主砲の天谷宗一郎選手(3年)、エース・中谷圭佑選手(2年)も「忘れられない試合」と声をそろえる。しかし、試合後の選手の様子から、勝利を冷静に受け止めている姿が、当時取材した記者には印象的だった。 |
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武田悌昌選手(OB)が「自信はあった」と冷静に話し、伊藤隼人主将(3年)も「『強豪チーム相手によく勝った』ではなく、『これで福井商の強さを証明できたな』と感じた」と言う。北野監督の、「試合前から『今回は負けるかも』という気持ちが少しでもあると、必ず負けてしまう。どんな相手でも、心底『勝てる』と思わなければ勝てない」という言葉を裏付けるように、選手は、100%「勝てる」と思いながら戦っていたのだ。 |
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「あの試合で、3年生(今は卒業生)の先輩に『やればできる』ということを教えてもらった」(伊藤主将)自信が、新チームの選手にさらなるやる気を起こさせるという好循環を生んだ。新チームは、伝統的に強い「投手力を含めた守り」に加えて打撃も強力。昨秋からの公式戦8試合のチーム打率が3割7分8厘という驚異的な数字を残した。 |
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「練習試合も含めて、今年は打ち勝った試合が多い。それで選手は打撃にも自信を持てたと思う」と北野監督。成功体験が新たな成功体験を生む。その結果が、今回のセンバツ出場なのだ。 【阪本麻記子】 |