福井商業高校
パワーアップした打撃

強豪の敦賀気比を破って甲子園にコマを進めた昨年夏の全国大会は、福井商の課題も浮き彫りにするものだった。
 浜松商(静岡)との試合は、自慢の投手陣が相手打線を6安打に抑え、全員から計12個の三振を奪う好投を見せた。半面、打線は、相手投手に、わずか5安打に抑え込まれたうえチャンスにあと1本が出ず、1―2で初戦敗退という結果に終わった。

 試合には出られなかったが、ベンチで間近に試合を見つめた伊藤隼人主将(2年)は「福井大会から2人の投手に負担をかけてばかりで、はがゆかった。甲子園でのあの試合の後、打撃力を高めたいという気持ちがピークに達した」と振り返る。スタンドから懸命に応援した駒田雄蔵選手(1年)も「打てなければ勝てないということがはっきり分かった」と、新チーム全員の共通する思いを話した。

 この思いは、精神面だけでなく、技術面での変化ももたらした。毎日の練習の最後には必ずティーバッティングを取り入れるなど、実戦的なスイング練習の回数を増やした。その成果は、たちまち、昨秋の北信越地区県大会に表れた。5試合の平均安打数は12・6本。この打力は、北信越大会でも生かされ、福井商は準優勝を飾り、センバツ出場に大きく前進した。

投手力を中心に戦った前チームの課題だった打撃力を新チームは見事に克服。さらに、現在でも伊藤主将が「雪が解け、グラウンドに出られるようになった時に成果を出すのが楽しみ」と話すほど、打撃力への手応えを感じているようだ。

「甲子園に出た選手は、将来に生かせる何かを必ず持って帰ってくる」と北野尚文監督。そして、新チームのメンバーにとって「それは打撃力の向上がどうしても必要という『気付き』でした」とも。

夏の収穫を秋に生かし、甲子園をつかんだ福商ナイン。春の大舞台では、さらにパワーアップした打撃が見られるだろう。 【阪本麻記子】

(毎日新聞2001年2月6日から)

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