後輩へ

 尾崎 光雄 硬式野球部 前主将(今春卒業生)

  魔物

「甲子園には魔物が住んでいる」

この言葉は、昔から甲子園にまつわるいわば伝説みたいな言葉である。
オレ達、福商ナインは甲子園で完全燃焼できたかと聞かれたら、誰一人
できたとは言わないだろう。
オレ達にとって、取材、観客、雰囲気、そして甲子園球場そのものま
でもが、魔物だったのかも知れない。
 しかし、それは相手チームも同じである。だから、それは敗者の言い
訳にすぎないのだ。

 今年の夏、オレ達には負けられない理由があった。
対敦賀気比10連敗、春の県大会でボロ負け。
オレ達福井商業にもプライドがある。負けっぱなしでは嫌だ。
世間は90%以上、敦賀気比が甲子園に行くと思っていただろう。
だからこそ、その世間を見返すためにも気比に勝って甲子園に行きた
かった。

そして、その夢はかなった。
監督、部長、部員全員、OB、福商野球部に関わる全ての人の支えによ
り、勝利を手にすることができた。
この場をかりて、深く感謝の気持ちを伝えたい。
その後の甲子園での、皆さんの期待を大きく裏切ったことは、本当に
情けないと思う。

 でも、何一つ得るものがなかったわけではない。
それは、一人一人のの心の中にいろんな形で残っているだろう。
それが、今後の福商のために活かされていくとオレは信じている。
とりあえず、今の部員に21世紀の福商をたくす。

 『甲子園に魔物はいない。魔物は自分の中にいるのだ。
その魔物に打ち勝ち、プレーする者が甲子園を制するのだ。
21世紀の福商は、その最初のチームであるお前達にかかっている。
甲子園で優勝してやれ!

別にオレ達の分までがんばれ、なんて言わない。
お前達、自分自身のためにやってみろ。
それができるチームだってことわかっているよな。』

 (編集:福商刊行委員会/発行:福商生徒会)

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